【完】俺がずっと、そばにいる。
りっくんがヤキモチ妬きという設定には正直笑っちゃったけど、彼なりに私が困らないように考えてくれたみたいで、すごくありがたかった。
校門の前まで来て、ふぅ、と一呼吸置く私。
なんだか変な感じ。ドキドキするな。みんなはどんな反応するだろう。
なんてことを考えていたら、突然りっくんが立ち止まり、こちらを振り返った。
「ゆず、手出して」
「えっ?」
……手を出すの?なんで?
言われて寒いからとコートのポケットに突っ込んでいた右手を出して、りっくんの前に差し出す。
そしたら彼は何を思ったのか、自分の左手でそれを掴むと、ぎゅっと握ってきた。
……えっ?
しかもそのままさりげなく指と指を絡ませて、いつのまにか恋人繋ぎに。
ウソっ……。
「えっ!?ちょっ、りっくん……!?」