記憶を失くした総長
航side

麗華が何か、言った。
すると雷華の総長に続き、幹部、下っ端が麗華から背を向ける。

大「…は?…あいつら何を!?」

会話が聞こえなかったが、大輝以外は理解した。

紅「…航。…俺は約束を破りたい。」

蒼真も深く頷く。

大「ちょっ!?なんのこt」

〜〜♪〜♪〜〜♪
予想できるはずのない着信。
発信者は

航「…麗華!?」

すぐに電話に出て、スピーカーにする。

『……もしもし?イヤホンしながら電話してるから声がこもってると思うんだけどごめんね???紅ちゃん!?』

急に呼ばれた紅希。

紅「…へ?」

間抜けな声を出す。

『…紅ちゃんの事だから約束を破ろうとしていると思うんだけど…?ダメだからね?』
紅「…わかったよ。」

じゃ、そういうことで〜と言って電話が切られ、遠くの麗華がスマホをしまった。

蒼「…イヤホン外してる。あ、抜いた。右のポケットに…しまったみたい。」

布ズレの音がしたかと思うと

『…律儀に待っててくれてありがとう。
おかげさまで電話できたよー。」

…切れてないぞ?

「…お、お前、もしかして…女…?」
『…へ?…あ。』

小さくやば、と呟く麗華。
それも全部、俺たちに筒抜けで、

大「…馬鹿だ。」

誰も大輝も言ったことに突っ込むわけもなく、同意した。

航sideend
< 108 / 192 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop