記憶を失くした総長
麗華side

ドゴッ。

『…お待たせ、桜哉。』

肩で呼吸をする桜哉を後ろから狙った敵を倒し、桜哉に声をかけた。

桜「は…おま…早すぎ。」

見た感じ、雷華の幹部以外はあと1発耐えられるかどうか…。

その時、
桜「___【蒼】っ!あぶねぇ!」
雅「…っ!」

衝撃に備えようと身構えた雅を突き飛ばした者が1人。

「……うっ!!」

身代わりになった雷華の下っ端がバットに打たれ、私の方に吹っ飛んできた。

「ゴホッ…ガハッ…!」
「…場外ホームランッ!見事に芯に当たりました!」

下っ端が倒れる前に支えこみ、打たれた場所に触れた。
そして瞬時に状況を理解する。

『…だめ。…肋骨が折れてる。』
雅「…そ、そんな。」

内臓器官は大丈夫だ。
この様子だと刺さってはいないだろう。
だが、

『ここは危ない。早く、移動させないと。』
雅「そうは言っても…!」

そう、すぐに終われるはずはない。
あと、24人。
雷華は今ので8人となった。

桜「…幹部は残れ。あとの3人で避難だ。病院の手配を。」

落ち着いて判断を下した総長の言う通りに私は怪我人を預けた。

『彼が血を吐いたら教えて。』
「は、はいっ。」

通り過ぎる時にそう伝える。

成「…最後の闘いだね。」
「「「『…あぁ!』」」」

私達は一斉に24人の相手に向かって走り出した。




そして

____最後は突然に訪れた。
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