記憶を失くした総長
大和side

「…昴先生!!」

突然自動ドアが開き、響いたその声に自然と顔が上がる。

昴「…蒼真君!麗ちゃんは!?」

__れい?
隣の成輝も聞こえた名前に反応し顔を上げる。
会話は聞こえないが見たところ状況を説明しているのだろう。

そして再び自動ドアが空いたかと思うと人を抱えた同年代くらいの男が入ってきた。
抱えられている人物はフードを被っているので顔は見えない。
ただ、白い髪が男の腕の間から揺れているのが見えた気がした。

あれは___絶対
声をかけようと立ち上がった時だった。

昴「麗ちゃん、聞こえる!?
大輝君、早くベッドに寝かせて頂戴。
これは寝ているんじゃなく気絶に近い状況なの。睡眠薬なしにこの状態は珍しいけど__、」

___また、目覚めない可能性も。
その言葉を聞いて出ていこうとした足が動かなくなった。
成輝の腕を寄せ、引き止める。

大「…行くな。…行っちゃ駄目なんだ。」
成「…もうしばらくしたら処置室に戻ろうか。」

一瞬驚いた顔をした成輝は笑顔を見せながら言った。
また、成輝に迷惑をかけてしまった。
麗華に色々な管が繋がれるのを人垣から見たあと、俺と成輝は処置室に向かった。

大和sideend
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