記憶を失くした総長
___ごめんなさい、1人だけ呼んでしまって。
俺のことは姉さんから聞いているのだろう、謝罪の言葉を述べた昴さんは俺の向かい側の椅子に腰を下ろす。
__コンコンッ
次に開かれた扉から入ってきたのは待ちわびていた姉さんで、お盆にお茶をのせている。
大「……や、ります。」
そのお盆をもらい、お茶を配る。
姉さんはその間に俺が座っていた席の隣に腰を下ろしたので俺は心中ほっとしていた。
昴「…そんなに硬くならないで。今回の闘争に関してはもう情報が入ってきているの。座ってちょうだい。」
席に着くと説明が始まる。
内容はまさしく今回の闘争の詳細で、
昴「…と。何か間違いはあったかしら?」
間違いなど、なかった。
それも何故ここまで知っているのか疑問に思うほどだったが、聞くにも聞けず俺が首を横に振ったのを確認し、次の話を始める。
瑞希の処置については高濃度の薬物の水溶液を服用してしまっていたため意識が無くなってしまったという。
また、胃洗浄による素早い処置のおかげで人身体に大した影響はないとのことだ。
安心して息をついたその時だった。
昴「___一体、どこであの薬を手に入れたのだと思う?」
大「…え、?」