記憶を失くした総長
俺達の愛すべき姫であった人。
初めて本当の俺を理解してくれた友人。
俺を救ってくれた友人。
手の届かないような高嶺にいたのに、俺を引っ張りあげてくれた人。
___俺達が、俺が無くした、最愛の人。
あの日、死んだと思っていた。
でも、再び俺たちの前に現れた。
もう許して貰えないかもしれない。
でも、あの時のことを謝らせて欲しい。
麗華である確信はあった。
だからあとは
「…大和。
悪いけど
___それには答えられない。」
話すだけなんだ。
大「…え…。」
信じたくはなかったが、隣からそれは発せられた。
昴「大和君。先程のと同じでこれは患者のプライバシーに関わるの。
貴方がどんなに知りたくても私たちには言う権利がないのよ。」
__ごめんなさいね。
話は終わりだと告げて昴さんは外へ出ていった。
俺は姉さんが声をかけるまで、その場に固まってしまった。
大和sideend