記憶を失くした総長
雅side

成輝が送ってきたメッセージを見て、休憩を終えた桜哉と共にエレベーターを上がる。

〝玲が雷華で1番強い〟

隣にいる桜哉よりも…。
ならば玲を倒したら、私が___。

雅「っ!」

何を考えていた?
仲間を、倒すなんて。

雅「……桜哉、私を殴ってください。」
桜「……は?…え?………目、瞑れ。」

覚悟を決め、言われた通りにする。

カシャ、

雅「?」
桜「ははっ、すげー顔。」

むいっ。
!?

桜「殴るくらいだったら雅の頬引っ張ってた方が楽しいし。」
雅「ちょ、しゃくや?」
桜「…眉間にシワより過ぎ。そんなんじゃ将来シワだらけになるぞ。…まあ、あれだ。
俺がもっと全体を見てれば良かったんだ。悪かったな。」


聞きたいのは謝罪ではないのに。
ありがとうと言いかけた時に、到着を告げるベルが鳴った。

桜哉には敵わない、でもそれでいい。
少なくとも今はそう思えた。

今は方向音痴の桜哉をリードしなくては。
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