記憶を失くした総長
慎都side

新学期が始まり、2週間が経った。
俺と夏希、雄太を初めとした同級生は2年に上がり【華蝶】は本格的に新入の選抜を考え始めている。
総長が不在な今、50人足らずでは心配の方が大きいからだ。
まだ他の族や組に総長がいなくなったことはバレていないし、【華蝶】の存在すらも伝説だったと言われ始めている。

だがそれはこの先調子にのる族や組が増えるということで、少なくとも【華蝶】はそれを危惧していた。
本日その会議を全員で行うはずだったのだが、前日の日曜に行われた進級おめでとうパーティー中、集団食中毒事件によりメンバーの半分以上がダウン。

作った本人、及びその恋人の雄太は重い症状で1日の入院を余儀なくされた。
ということで本日の放課後倉庫に集まってみて会議に参加できそうなのは3分の1にも満たない人数だったので会議は先送り。
生き延びた3分の1弱にメンバーの看病を任せ俺は幹部の2人のお見舞いに雨の中、母の居る病院にやってきた。
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