記憶を失くした総長
思わぬところで時間をかけてしまったので両手に2つずつ袋を抱えながら早足で寮へ急ぐ。
『…ここの通りだったらかなり早く帰れるな…。』
現在は路地裏を通り、人目のない所を選んではいるがこの先の開けた道を通ると寮が見えてくる。
___レモンティーを取るか、人目を避けることを優先するか…。
『…いや、レモンティーでしょ!』
私は20メートルほどの路地から大通りに出るため、できる限りの速さで走った。
大通りに近づくにつれ、視界がクリアになっていく。
____あと少しで。
__道を抜けると、バッタリ。
「え!玲くん!?偶然!
__みんな!早く来て!玲くn」
咄嗟に片手を離し、クラスメイトの口を抑える。
『…俺がいたってこと内緒ね?』
コクコクと頷いた彼女を確認し彼女の来た方向とは逆、つまり進行方向に袋を拾って歩き出した。
「あ、そっちには…!」
『え?…あ、。』
桜「あ、サボり。」
そして雅、大和、成輝、瑞希ちゃんがいた。