記憶を失くした総長
成輝side

麗華が酒を飲んだ。


悪酔いするから飲ませないように気をつけていたのにっ。

成「玲、水飲んでお酒を薄めて

__っ玲!」

力が抜け、座り込んだ麗華の目線に合わせてしゃがむ。

玲「…成輝。なんか、立てない。」

立ち上がろうと腕や足に力を入れているようだがどうにもそれが出来ない様で。
クラスのみんなを麗華から離れさせ、安全を確保。

「拓先の所まで運ぶから、楽にして。」

そう言って麗華を横抱きにすると、ぐったりしながらも俺の肩に右手を回し、頭を委ねている。

直ぐに寝るだろうと思ったその時、

玲「…成輝、かわいいねぇ。

………すき〜、」

____ちゅっ。



1度目は軽く、触れるような。

成「…れいっ、んんっ。」

2度目は俺の後頭部を左手で押さえつけて深く。
見開いた俺の目を惚けた眼差しで見つめてくる。
思っているよりも長く続くキスに戸惑い立ち尽くすクラスメイト達。
それをかき分けて大和が寄ってくる。

大「成輝!」

麗華の左手がようやく後頭部から落ちる。

成「大丈夫。……やっと寝たよ。」

ただ腕の中で眠る彼女はアルコールが抜けてないため頬を赤く染めていた。
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