記憶を失くした総長
第一章

冷たい雨が降った日

麗華side

酷く冷たい雨が降る日だった。



瑞「れいっかっちゃんがっ」

雅「___出ていけっ!」
桜「___お前が、消えればっ。」

誰も、信じてくれない。

『…信じていたのに、
仲間だって言ってくれたのは嘘だったの?』
雅「そうだよっ、全部嘘だ!
だから早く俺たちの前から消えてくれっ!」

そうか、そういうのなら…。

__もう、誰も信じられない。

『…偽りの仲間ごっこでもしていればいい。』




「……待って、」


倉庫を飛び出す直前、誰かが私を止めた気がしたけれど振り向くことが出来なかった。

冷たい雨が私に降り注ぐ。
胸が痛いのは、持病のせいか。
橋まで走り、橋の真ん中までたどり着くと手すりに寄りかかった。
いつの間にかウィッグは取れ、白い髪から雫が垂れていた。

このまま死んだら、あの人達は悲しんでくれるのだろうか。

___胸の痛みが強くなると共に、私は手すりを飛び越えた。

麗華sideend
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