記憶を失くした総長
桜哉side

大和と成輝の視線も気になっていた。

それに前に行く時もふらついていたようだったし、戻ってきた時見た顔色もありえないくらい青白くて。

思わず腕を掴んだが、確信した。

桜「…!…体調悪いだろ。」
華「…そんなことないけど?」

ガラスのように冷たい手。
俺には何も言わず強がってる姿に嫌気がさすし、成輝や大和は知っていて俺が知らないことにイラついた。

だから、授業が終わったのと同時に華を教室から連れ出した。

空き教室へ行き扉の鍵を閉める。
昨日のこともあって華もそうかもしれないと電気はつけた。

桜「昨日の今日で治らないとは思っていたが…薬は?」
華「…カバンの中かな。」

そう言って髪を耳にかける。

癖か?
……彼女にそっくりだった。

桜「…本当は?」

すると諦めたのか、しばらく黙ったあと

華「…大和と成輝を呼んで。」

言われた通り呼びに行こうと扉の鍵を開けると外に2人はいた。

大「…いいのか。」
華「…別に隠すことでもないからねー。」
成「…実は。」
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