記憶を失くした総長
大和side

俺は今、華を保健室に連れていこうと横抱きにしている。

華「歩けるし、重いから下ろしていいよ!」
大「…軽すぎ。…俺が小柄だからって舐めないで。」

俺は玲と華より少し大きいくらいで雷華の中では1番小さかった。

華「…私からしたら大和は大きいよ。」

熱で赤く火照っているとは分かってる。
でも、俺まで熱くなる理由は分からなかった。

保健室についたが先生はいないので勝手に入り、華をベッドに寝かせる。
体温計で熱を測らせると嘘をつかせない為になった瞬間に取り上げた。

華「…何度だった?」

こんな状態で無理してたのか…。

大「…38.5。」
華「嘘…。今日は雷華のみんなに会う約束だったのに…。」
大「…今日は病院に行ってこい。みんなにはなんとか言っておくから。」
華「…ごめん。
代わりに玲を連れてっていいから。私は今度必ず行くから…。…ごめん。」

俺は華の何度も謝る理由が理解出来ず、どうするべきか考えた結果、冷たい手でおでこに触れる。

華「…気持ちいいね。」

そう言いながら笑う少女になんと返すか戸惑ってしまう。

大「…だろ?」

たった一言、それだけなのに
少女は



麗華は

今までのように笑顔を見せた。

どうして華として戻ってきたのかは分からない。


それでも、俺は心に決めた。
_____二度と傷つけないと。

大和sideend
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