寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~

「一見怖い印象でとっつきにくそうな雰囲気だけど、女子社員の人気はすごいのよ」

「……それはわかります」


自信に満ち溢れていて、人を圧倒するようなオーラに尻ごみはしてしまうけれど、とても魅力的な人だと思う。
顔は文句なしだし、アメリカ帰りの凄腕イケメン社長といったところだ。


「弟さんの副社長はどうですか? 人当たりがよくて、顔も社長同様だから人気がありそうですけど」

「そうね。今の社内はふたりの人気が二分してる感じかな。実はね、あのふたりは腹違いの兄弟なの」


沙智さんが驚くべきことを口にする。


「腹違い、ですか?」


繰り返した私を見て彼女は頷いた。


「社長が生後間もないときに両親が離婚して、社長は母親に引き取られたそうなんだけど、その母親が小学生のうちに病気で亡くなって、すでに再婚して琢磨さんという子供もいた父親の元へ引き取られたそうよ」

「そうだったんですね……」

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