寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~
◇◇◇
「昨夜は快く外食をさせてくださった上お金まで出してくださり、本当にありがとうございました。これはお釣りです」
朝食を食べ終えたテーブルの上に、数枚の千円札と小銭をレシートと一緒に風見さんに滑らせる。
「お釣りを受け取るつもりはないぞ」
それを一瞥した風見さんは鋭い視線を私に投げかけた。
「ですが、それは困ります」
いくらなんでも、私の懐に入れるわけにはいかないから。
「随分と律儀だな」
珍しく強気で出た私に風見さんは目を見張ったあと、出した自分の手を眺めてしみじみと言う。
「おかげさまで楽しかったです。それから、グリーンスムージーを作っておいたので飲んでください」