寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~
「これは必要ない」
あらわになった胸元を腕で覆う。
「こんなに魅惑的な体を持っているのにまだ自信がない?」
「いえ、あの……」
どう返したらいいのかわからず、わけもなく首を振って俯いた。
風見さんに変身させてもらって以前より自信がついたとはいっても、水着姿はさすがに度胸を必要とする。
体をじっと見つめられて困ってしまう。
「キミはもっと自分の魅せ方を知ったほうがいいな」
風見さんは私の頭をポンと撫でた。
自分の魅せ方って……なに?
なんとなく違う話題に切り替えたほうがいいような気がして、「あの……よくここで泳がれるんですか?」と尋ねる。
風見さんを直視できずプールに目線を置いたままだ。
「いい気分転換になるからたまに。無理やり連れて来ておいてなんだが、茜は泳げるか?」