寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~
「今日から俺と一緒に通勤するぞ」
風見さんと一緒に……?
突然の提案に瞬きが激しくなる。
「……どうしてですか?」
そう尋ねると、風見さんの眉間に皺が寄る。
「昨夜のアイツがまたいつ現れるかわからない」
「大丈夫です、きっともう」
風見さんにあんなふうに凄まれたら、恐ろしくて顔も見せられないだろう。
「茜は呑気すぎるんだ。自分の魅力に気づいたのなら、今度は男に隙を見せないことを学ばないとならないな」
「……私、そんなに隙だらけですか?」
そう聞いた次の瞬間、風見さんが私にふわりと口づけ、その拍子に昨夜のことが蘇って顔が熱くなる。
すぐに離れた彼はいたずらっぽく笑った。
「これでも隙がないって?」
「――それは風見さんだからです!」