寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~
「なにかきついことを言われたのなら、俺からガツンと言ってあげようか」
……あ、そういう意味だったんだ。
二人も秘書を異動させるくらいだから、琢磨さんは私も同じよう目に遭うんじゃないかと心配してくれたのかもしれない。
「いえ、そういうことは全然ないので大丈夫です」
胸の前で両手を振って否定する。
「……ミスをしてしまって」
琢磨さんの顔があまりにも優しいから、ついぽろっと零してしまった。
肩を落とすと、琢磨さんがそこにポンと手をのせる。
「それじゃ気晴らしに、今夜俺に付き合わない?」
「……はい?」
私の目が点になる。
「私を誘ってらっしゃるんですか?」
「ほかに誰かいる?」