寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~

ギクリとせずにはいられなかった。
洋服を買ってもらったデパートだ。


「そこで洋服から小物から、いろいろと買ってもらったみたいだね」


デパートのスタッフから聞いたのかもしれない。
口を開いても言葉がすぐに出てこず、琢磨さんは私の反応を面白そうに見ていた。


「それは……私がオフィスに見合う洋服を持っていないことをぽろっと言ってしまって、それを社長が気にかけてくださって……」

「へえ、そうなんだ」


納得していないような相槌だった。
目にもいたずらな色が滲んでいる。


「……はい」


次になにを言われるのかが怖くて、つい声が震える。


「今朝、兄貴の車で一緒に出社したでしょ」


早速、琢磨さんに目撃されていたらしい。

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