寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~
本物の恋人の登場


翌週の金曜日。
ミヤコの足立社長から理玖さん宛に電話が入った。
ミヤコ訪問のあとは、直接理玖さんのスマホでやり取りをしていたはずが、ここ数日はなぜか会社を通してかけてきている。

理玖さんに取り次ごうとしても、「あとでかけ直す」と言って電話を切らせることも続いていた。
今回の電話も同様で、理玖さんは応対しなかった。これで四度目だ。

そんな電話のあと、私は理玖さん宛に来社されたお客様を出迎えていた。


「いらっしゃいませ、お待ちしておりました」


理玖さんの待つ部屋へ案内し、お茶を出して自分のデスクで控える。
そうして二十分ほどが経ったときだった。
社長室を忙しなくノックされたかと思えば、こちらが返事をして開けるより早く、ドアが勢いよく開いた。
それを避けるようにして一歩下がる。


「あの……?」


入ってきた人物に戸惑ってしまった。
外国人の女性だったのだ。
でも、どこかで見たことがあるような気がする……。

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