寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~
髪はブロンドのストレートロング。彫刻のようにはっきりとした目鼻立ちは、ハリウッド女優のように美しい。身長は私が軽く見上げるほど高く、ミニスカートから覗く足が驚くほど長い。
こんな人が社内にいた……?
まだ日の浅い私の記憶回路を辿るけれど、ここで見かけたことはなかった。
――そうだ、思い出した。あの写真の女性だ。
理玖さんの部屋に引っ越して間もなくの頃、本に挟まれていた写真で理玖さんと幸せそうに笑っていた女性だ。
「理玖は?」
「はい?」
「理玖はいませんか?」
綺麗な日本語だった。
「あの、失礼ですが……」
どちら様かと尋ねようとしているうちに、その女性が奥の部屋へと向かう。
「すみません、只今来客中ですので」