寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~

「ありがとうございます」


エイミーさんは茶碗を受け取り、すぐに口を付けた。


「おいしい。さすが日本女性ですね」

「……ありがとうございます」


その会話のあとに訪れたのは長い沈黙だった。
理玖さんの来客が早く終わってくれればいいのにと思う気持ちと、エイミーさんと会ってほしくない気持ちがせめぎ合う。


「あの……エイミーさんは理玖さんの……?」


悶々としているよりはいいだろうと、思い切って聞いてしまった。


「ガールフレンドです」


エイミーさんが答える。

“ガールフレンド”って、ただの友達のことを言うんだっけ?
それとも恋人のことを指してるの?

私が理解していないと思ったか、エイミーさんは「理玖とはリレイションシップ」と言い直した。

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