寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~

◇◇◇

それから三日と経たないうちに、ミヤコだけではなく、その系列会社や息のかかった会社から契約を打ち切るとの連絡が次々に入った。
当然ながら社内は騒然とし、通常業務もままならないような状態。
理玖さんは緊急の取締役会に呼ばれ、社長室には不在だった。

理玖さんとの面談で事前に予約の入っていたお客様へ断りの旨の連絡を入れたあとは、私もなにも手につかない。
ミヤコだけじゃなく、ほかにもごっそりと契約を解除されるとなると、事業の継続もままならなくなるだろう。

それを引き起こしたのは私だ。
私がいなければ……。

ただただ沈んでいく気持ちは、どうにも止められなかった。

それから一時間ほどして、理玖さんは社長室へ戻ってきた。


「お疲れさまでした」

「ああ」


表情からして、先行きに暗雲が立ち込めているのはわかる。

私は自分のデスクから真っ白い封筒を取り出し、理玖さんを追って奥の部屋へと入る。

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