寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~
理玖さんはとんでもないことをサラッと言ってのけた。
「茜にプレゼントするために」
そしておもむろに腕時計を確認する。
「そろそろだな」
理玖さんはそう呟き、私の肩を引き寄せてエンパイアステートビルのさらに向こうを指差した。
「あっちを見て」
言われるままに遠くを見つめる。
すると、夜空に突然、花火が花開いた。
それもひとつやふたつじゃない。
「……まさかあれも理玖さんが?」
「茜へのプレゼント」
理玖さんが再びこともなげに言う。
信じられないほど壮大なプレゼントに胸の高鳴りが抑えられない。
「もしかして、この準備をしていたから……?」