寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~
だから、私をオフィスに何時間も待たせていたの?
「茜が急に現れたものだから慌てて準備したんだ」
とてつもないサプライズが私から言葉を奪った。
花火が次々と夜空に大きく開く。
「理玖さん、ありがとうございます……」
本当に嬉しい。
ニューヨークにこんな素敵なことが待っているとは思いもしなかった。
胸の奥から震えるような感動が湧き上がる。
「これで俺の気持ちがわかっただろう?」
理玖さんが今まで見たこともないような笑顔で私を見つめる。
さっきから私の鼓動は、これ以上速く刻めないほどだ。
「はい……」
「茜、愛してるよ」
理玖さんの真っ直ぐな視線が痛いくらいに注がれ、額にキスが降ってくる。