寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~
「そうよ、せっかく人に教えられるものを持っているんだから、それを隠しているのはずるいわ」
沙智さんが笑う。
「人前に立って教えるスタイルじゃなくて、講義を聞く側と一緒に『こうしたらもっと綺麗に整理できる』って実演を交えてやってもらえるといいかも」
……なるほど。
それならそれほど気負わずにできるかもしれない。
「茜、俺からもぜひお願いしたい。もっと効率のいい仕事をみんなができるようにサポートしてくれ」
理玖さんにまでそう言われたら、断るわけにはいかない。
「わかりました。やってみます」
私の返事に三人は「頼んだよ」と口を揃えた。