寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~
「すごくよく似合ってる。朝とは印象がまるで別人ね」
「……あの、体のラインとか出過ぎていないでしょうか……?」
「そう?」
田丸さんはそう言いながら、一歩足を引いて私を上から下まで眺めた。
「そんなことはないと思うけど。水城さんのいいところを引き出してる感じよ。選び方が上手ね」
「ありがとうございます」
慣れないデザインの洋服ということもあり、私の考えすぎだったのかもしれない。
同性にはひんしゅくなんじゃないかと心配だったので、田丸さんにそう言ってもらえて嬉しくなる。
「それじゃ早速お茶入れのレッスンをしましょうか」
「はい、よろしくお願いします」
そうして田丸さんから午後五時半を迎えるまでひと通りの指導を受け、私は社長室へと戻った。
ドアを開けたところに風見さんが立っていたものだから、びっくりして息を吸い込む。