世界は綺麗だった。

「言わないでやってもいい」

『…』

「ただし、条件がある」

『なんですか』

「お前ひとり暮らしだろ」

『な、んでそれを知って…』

「俺と暮らせよ」

『は、どうして』

「決まってるだろ。お前を俺のものにしたいからだ」

この人はほんとに教師かと疑うような言葉だった。

『…』

「どーする?」

『…わかりました』

「決まりだな。家賃は払わなくていい。俺の隣の部屋を使え。家具も俺が新調してやる」

『なんでそんな…』


一瞬、この人は私の忌まわしい過去を

知っているのかも、と思った。

考えていたらいきなり先生の顔が近づき、

後退りすると壁にぶつかってしまった。

しかし、先生は私の唇に口づけをした。
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