世界は綺麗だった。


ガラガラガラッ


教室のドアにつき、私の席につく。

私の席は窓側の1番後ろだ。

席につき用意をしていたら、

「おっはよう♪」

わざわざ教室まで来て声をかけてくれたのは、

唯一の友達で親友、町田 莉奈 ( マチダ リナ ) 。

私の隣のクラスだ。

私の、黒くて悍ましい過去も知っている。

それでも、私を好いて受け入れてくれてる。

莉奈は私と正反対で、小動物のように可愛い。

それでいて、芯もしっかりある。

私はそんな莉奈が大好きだ。

『おはよ、莉奈ー』

「ねぇねぇ、律ー!今日から、律のクラス石田先生の代わりの人来るんだってさ~」

今日なんだ。

石田先生は、怪我して療養中らしい。

『そーなんだ』

「あ~、興味ないって顔してる~」

『そんなことないよ』

「まぁ、いいや。それでねその人が、すっごいイケメンらしいよ!いいな~、律のクラス~」

『莉奈は彼氏いるでしょ』

「それはそれ、これはこれなの~」

膨れた顔も可愛い。

突然、真剣な顔つきになった。

「ねぇ、律」

『ん?』

「ちゃんと睡眠とってる?」

『…それなりに』

「はぁ、もう、しっかり睡眠とってよね!他は?たまには仕事休んでるの?」

やっぱり、莉奈には私の嘘がお見通しらしい。

見かけによらず、感が鋭い。

『あー、とってない』

「それじゃあいつか、律が壊れちゃうよ!」


キーンコーンカーンコーン


「あっ、鳴っちゃった!とにかく、ホントに律が心配なんだからねー!ちゃんと休みとってね!じゃ!」

『うん』

律が壊れちゃうか…

もう、とっくに壊れてる気がする。

でも、莉奈が心配してくれてるんだから

久しぶりに明日は休もうかな、と思った。
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