世界は綺麗だった。
変化
ヒソヒソ
「え、待ってかっこよくない?」
「イケメン~」
「やばい~、惚れた」
女子のそんな声が聞こえてくる。
「今日から、臨時教師を務めさせていただく桐生千景です。教科は、国語を担当します。よろしくお願いします。」
パチパチパチ
そんな中、私は、窓の外を見てる。
丁度、美穂のクラスが体育だからだ。
美穂は、ああ見えても運動神経がいい。
あっという間にとなりの女子を抜いていた。
『ふふっ』
美穂を見てると、自然と頬がほころぶ。
「~だから。じゃあ、窓の外ばっかり見てる、遠峰さん、放課後よろしくね」
はっ?
全然、話聞いてなかった。
あーあ、面倒なことになった。
今日も仕事なのに。
はぁ、仕方ない。
『…わかりました』
ヒソヒソ
「なんで遠峰さんが?」
「なんか、いろんな男子とシてるって噂知らない?」
「だから、遠峰さん先生にも色目使ったんじゃない?」
「うっわー、最悪じゃん」
「茉莉ちゃんの彼氏にもちょっかい出したらしいよ~」
女子ってほんと凄い。
ありもしないことなのに、こんな噂になるなんて。
ほんとくだらない。
ただ嫉妬してるだけにしか聞こえない。
ただ、桐生先生が女子をそんなに躍起させるのは
わからなくもないけど。