【3/9】

「私、ずっと前から先生のことが好きでした。」



驚いた表情を浮かべる先生。



「思い違いなんかじゃないです、本当に好きなんです。


1人の男性として、好きなんです。」



言葉に詰まっている先生。


やっぱり、私の想いは先生を困らせるだけだったのかな？



「想いを伝えたかっただけなんです。」



気持ち悪く思われるかもしれない、そう思うと急に怖くなって声が震える。



「今日までずっと抱えていた気持ちだったので、最後に知って欲しかっただけなんです。」



でも気持ちを伝えたことによって最後の最後に嫌われちゃうかもしれない、そう思うと涙が溢れる。



「……許してください、好きになってしまったこと。」



泣き顔なんて醜いものを見られたくなくて、下を向く。


出てきた涙は全て、頬を伝う前にセーターの袖で拭う。



「せんせ……嫌いにはならないで……」



好きじゃなくていい。

好きじゃなくていいからせめて、せめて嫌いにはならないで。

私 好きな人の嫌いな人になりたくない。