きっと、ずっと、恋だった。
そんなことを考えながらもみんなと思い出話に花を咲かせていたら、いつのまにか1時間目終了のチャイムが鳴った。
「えっ、もう終わり!?
自習のプリント全然終わってねえ…」
「私も!ぎゃー!」
自習だからと渡されていた数学のプリント、私の分は真っ白だ。
そして同じく騒いでいるコウのプリントも、綺麗に何も書いていない。
「これ写していいよ」
「「高嶺さま…!」」
私たちと喋りながらも手は動かしていたらしい器用な高嶺からプリントを渡され、必死に写す私たち。
「…あれ、アッキーと柊香は?」
ふと手を止めて2人を見るコウに、本当だ、とプリントを写す気配のない2人を見る。まさか。
「俺も一応やってた」
「ごめんね、私も」
やってなかったのは私とコウだけらしい。
何さ、みんな頭いいからって、要領がいいからって。
まあ写させてもらっているんだから文句は言わないでおこう、と高嶺の綺麗な字を自分のプリントに写した。