きっと、ずっと、恋だった。
「ちょっと芹奈、どうしたの?
具合悪いなら休んでもいいわよ」
家を出る10分前になっても布団の中で丸まっている私に、さすがに心配したようにお母さんが声をかける。
「……行く、学校」
「なら早く支度しなさい」
「うん…」
ベッドからずるずると降りて、だらだらと支度を始める。
昨日の放課後、あまりにもいつも通りだった秋樹に寂しくなった。
むかつくとか、悔しいとか、そんなのよりも悲しさのほうがずっとずっと大きくて。
せめて、せめて。
伝える順番、1番最後でもいいから。
本当は1番最初に知りたかったけれど、私は1番最初に秋樹に合格したって報告したけれど。
でも、秋樹はそうじゃなくてもいいから。
ただ、せめて、秋樹の口から知りたかったよ。