きっと、ずっと、恋だった。
「な、何言って…」
「ほら、こっち見て」
近づく秋樹の顔が見れなくて、俯いたまま必死に逃げようとするけれど、壁際に追い詰められた私は逃げ場を失ってしまった。
「あ、秋樹…?」
恐る恐る顔を上げたら、切なげに眉を下げて笑う秋樹がいた。
「ごめん、何言ってんだろ、俺」
「あ、き」
「ごめん、戻ろう」
そのまま背を向けてしまった秋樹の背中。
なぜか寂しそうで、いつもより小さく見えて。
追いかけて、抱きついてしまいたい衝動を必死に抑えた。