きっと、ずっと、恋だった。



「私まだ将来のこととか全然考えられなくて、大学だって目標を持って決めたわけじゃなくて、

だからちゃんと未来が見えてる秋樹ってすごいなぁ…


なんか、遠くに感じる」




ふと呟いたら、秋樹は驚いた顔をしてこっちを見た。





「…そんなの、俺のセリフだよ」



「え?」




「いつも笑ってて、誰にでも優しくて、明るくみんなを引っ張っていけて、


うちのクラスがこんなにまとまってるの、芹奈のおかげでしょ。


そういうところ、いつも眩しかった」




なにそれ、そんなふうに思ってたの?


思いがけない言葉に、目を見張った。





「なかなか自分からみんなの中に入れない俺のこと、いつも引っ張ってくれて嬉しかった。

俺が我慢しようとすると怒ってくれたのも、嬉しかった。


だから芹奈にはずっと、そのままキラキラしててほしい…と、勝手に思ってた」




照れ隠しみたいに目を細めて笑うから。

その声色が甘くて優しいから。


勘違い、してしまいそうになる。





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