きっと、ずっと、恋だった。



卒業証書授与の時、先生に名前を呼ばれて泣きそうになった。


笑顔で証書を渡してくれて嬉しくなった。


壇上から見たら大好きな人たちと目が合って、幸せになった。


そして卒業証書を受け取る秋樹を見て、胸がいっぱいになった。



もう会えないかもしれないその姿を目に焼き付けたくて、でも涙で霞んで見えなくて。


はい、って返事をする、その透き通った声が。


少し猫背な背中が。


歩き方さえも。


全部、全部、きみじゃなきゃダメで。



きみの仕草が、言葉が、1つ1つがわたしの心を掴んでいるから。


きみに似てる誰か、じゃ意味がなくて。


きみしか、私を幸せな気持ちにできなくて。



サヨナラなんて、したくないなぁ。




< 207 / 240 >

この作品をシェア

pagetop