きっと、ずっと、恋だった。




最後のホームルームも終わって、先生のいい話を聞いて何度も泣きそうになって。


卒業アルバムを受け取ったりして、みんな写真を撮るため外に出た。


もう帰ってもいいんだけれど、みんなまだ話していたいから中庭にあつまっている。


私は何となく1人で戻って、誰もいない教室に入った。




教科書も荷物も持ち帰った教室はガランとしていて、寂しげだ。


…本当に、終わりってくるものなんだ。


卒業式って言ったって、なんだかんだこの日常は続くものだって思ってた。

最後って本当に、あるんだなぁ。




ゆっくり近付いたのは、秋樹の席。


そっとその机に触れてみたら、涙が溢れそうになって唇を噛んだ。






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