きっと、ずっと、恋だった。
大学受験が終わって開放感に包まれる私たちに、授業をまじめに受ける気力なんて全然なくて。
入試が終わって以来ぱたりと握らなくなったオレンジのシャープペンシルも、筆箱の中に眠っている。
君がどこの大学に行くのか、私は知らない。
結構仲良しだって、思ってたのになぁ。
女の子の中じゃ私がいちばん君と近いって、思ってたのになぁ。
どこの大学に行くのか、それとも就職するのか、それとももう1年頑張るのか。
そんなことなかなか聞きづらくて、クラスの中にも進路を知らない人なんてかなり多いけれど。
いつもなんだかんだ、自然と一緒にいるようになった私たち5人組のうち、君以外の進路は知ってるのに。
美人で大人っぽい柊香は名門私立の大学に進学。
私がいうのもなんだけど元気で単純アホなコウは美容師になるために専門学校。
オトナな優男の高嶺は国立の大学。
私は第二志望の私立大学に進学。