きっと、ずっと、恋だった。
その言葉に驚いて、勢いよく顔を上げる。
目の前で繰り広げられるラリーを見つめていた秋樹は、一瞬ちらりと私に視線を移して、また戻した。
そっか。
中谷のこと、柊香も気付いていたんだから秋樹だって気付いているだろう。
まだ今日は中谷に会えていなくて、昼休みに話に行こうと思っている。
もちろん、答えは決まっているんだけれど、それを中谷以外の人に先に言うのは、どうなんだろう。
だけど秋樹に、中谷と付き合うって誤解されるのも嫌だ。
そんな葛藤をしていると、得点板の点数を7から8に変えた秋樹が、
「…ごめん。何聞いてるんだろ、忘れて」
少し寂しそうな横顔でそう言ったから。
私はそれ以上何も言えなくて、バレーの試合に視線を戻した。