冬眠
タイトル未編集
満天の星空。
月明かりだけを頼りに、私は家路を急ぐ。冬の凍てつく寒さに身を縮め、歩みを進めると突然、私を呼ぶ声が聞こえた。
振り返ると、そこにはたくや先輩が微笑んでいた。
きっと私の真っ白なリュックを見て気がついたのだろう。先輩は私の横に並ぶと、さっきまでとは何も変わらない様子で歩きだした。
一方の私は、高校に入学したときから先輩に恋をしている。その先輩が隣にいるのだ。
胸が高鳴る。
しかし、そんな喜びと同時に悲しみをこみ上げてくる。
そう、今は3月。
3日後に先輩は卒業してしまう。
もしかしたら、一緒に帰れるのは今日が最後かもしれない。
そんな想いが私の頭を駆け巡る。
先輩が足を踏み出す。
私は咄嗟に先輩の左袖を掴む。
驚いた顔をして先輩が振り返る。
そして、私は先輩の目を見つめて言った。
好きです。
家に帰った私の心は枯れていた。
もう動く気力もない。
そうだ、冬眠しよう。
この時期はみんな眠っている。
新しい春が来るのを心待ちにして。
私も新しい恋が訪れる春を待とう。
美しい花々が咲く温かい春を。
月明かりだけを頼りに、私は家路を急ぐ。冬の凍てつく寒さに身を縮め、歩みを進めると突然、私を呼ぶ声が聞こえた。
振り返ると、そこにはたくや先輩が微笑んでいた。
きっと私の真っ白なリュックを見て気がついたのだろう。先輩は私の横に並ぶと、さっきまでとは何も変わらない様子で歩きだした。
一方の私は、高校に入学したときから先輩に恋をしている。その先輩が隣にいるのだ。
胸が高鳴る。
しかし、そんな喜びと同時に悲しみをこみ上げてくる。
そう、今は3月。
3日後に先輩は卒業してしまう。
もしかしたら、一緒に帰れるのは今日が最後かもしれない。
そんな想いが私の頭を駆け巡る。
先輩が足を踏み出す。
私は咄嗟に先輩の左袖を掴む。
驚いた顔をして先輩が振り返る。
そして、私は先輩の目を見つめて言った。
好きです。
家に帰った私の心は枯れていた。
もう動く気力もない。
そうだ、冬眠しよう。
この時期はみんな眠っている。
新しい春が来るのを心待ちにして。
私も新しい恋が訪れる春を待とう。
美しい花々が咲く温かい春を。