Miss you・・・
すべて出来上がって鏡を見ていたら、蘇我さんが来た。
何も言わず、私の顔を見ている蘇我さんを見て、私は不安になってしまった。

「そろえる程度に切ってトリートメントをしたから、髪にツヤが戻ったし、前髪作って雰囲気変えてみました。それから仕事の面接だと伺ったので、少しメイクもしたけど、見違えたでしょう?」とニコニコしながら美容師さんに聞かれた蘇我さんは、ハッと我に返った様子でコクンとうなずくと、大きな手を口に当てて、何やらブツブツとつぶやいていた。

と思ったら、「ありがと、小川さん」とぶっきらぼうに言って、私の手をつかみ、サッサと美容室を出た。

「あの・・・蘇我さん?」
「次、行くぞ」
< 100 / 206 >

この作品をシェア

pagetop