Miss you・・・

「え？あの、蘇我さん？５日分って・・・」と聞く私を蘇我さんは無視して、「あのコート・・・そう、ライムグリーンの」と、渡辺さんに聞いている。

「これ、一昨日（おととい）来たばかりの新作よ」と渡辺さんは言って、マネキンからコートを脱がせると、蘇我さんの前に持っていった。

「表地はウールとカシミヤ、裏地はシルクだから、軽くて温かいわよ」
「気に入った。これ、すぐこいつに着せる。これに合う靴とバッグも用意して」
「はい、かしこまりました」とニコニコ笑顔で返事をした渡辺さんは、いそいそと用意をし始めた。

「ちょっと、蘇我さんっ！」
「何だよ」
「あの・・・服だけでもすごく高価だと思うんですけど、私、コート代まで払えない・・・」
「俺が払うに決まってんだろ」
「そ、そんな！美容室のお金も払っていただいたのに」
「俺がおまえを連れ回してるからな」と蘇我さんは言ってニヤッと笑った。