Miss you・・・
目があった私に、蘇我さんは一言、「よろしく」と言うと、私にニコッと微笑んだ。

あ・・・どうしよう。
この人の笑顔、すごく・・・ステキだ。

「で、あんたの名前、まだ聞いてないけど」とボソッと言った蘇我さんの顔が、赤くなってる気がした。

あ、しまった!助けてくれた人にまだ名乗ってなかった!
と今頃気づいた私は、「すみません!吉原真由美です!」と慌てて蘇我さんに言った。

「まあ、保険証見たから知ってたけど」
「・・・そう、ですか」

やっぱりさっき蘇我さんが照れてたのは、気のせいだ。
いつものからかい顔になってるし。
・・・って、私、この人とは初対面なのに、どうしてそんなことを思ってしまったんだろう。

まるで、ずっと前から蘇我さんのことを知ってるという風に。

そのとき明が私のところへ来た。
「お母さん、大丈夫?」と聞く明の目は真っ赤だ。
いきなり道端で倒れてしまった母親を見て、この子は大きなショックを受けたに違いない。

「大丈夫よ。ごめんね、心配かけて」と私は言うと、寝たままの状態で、明をギュウっと抱きしめた。
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