Miss you・・・
「ここか」
「・・・はい」

私たちが住むアパートを見て、蘇我さんの眉間に深いしわが寄った。
嵐の前触れ的な顔・・・。
何か言われると身構えた私を無視して、蘇我さんは車から降りた。

え!今度は何?
私は慌てて車から降りると、蘇我さんの後を追った。

2階建てアパートの2階に、私たちは住んでいる。
その建物はとても古くて、「なんとか荘」とか「なんとかコーポ」という呼び方がピッタリだ。

いや、刑事ドラマの犯人役の住みかとか、落ちぶれた刑事がひとりわびしく過ごす場所、と言ったほうが、よりピッタリかもしれない。

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