Miss you・・・
「マサも自分の問題そっちのけで、よく見舞いに来てくれたんだ。それから社長も」
「社長って、塩見さん?」
「そ。当時俺、社長のお父さんが経営していた会社に勤めててさ。あのときから社長とはなぜか気が合って、よく飲みに行ったり、重要な仕事任されてた。だが社長は、過労が原因で俺がこうなったんじゃないかって、責任感じてたみたいだ。実際は違うと思うんだが、それは俺にも分からん」
「そうですか・・・」
「だから社長が責任感じなくて済むよう、絶対生きなきゃいけないって自分に言い聞かせてた」
「本当に義理堅い人なんですね、蘇我さんって」

「他人のせいにしながら生きるのは癪なんだよ」

それは蘇我さんらしい生き方を、簡潔に表現していた。
私は「そうですね」と言って、蘇我さんに微笑んだ。

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