Miss you・・・
そして明が私の横に来たとき、蘇我さんが私の手をまた握ってくれた。

「じゃあ、明日」
「おう」と言いながら、蘇我さんは手を離そうとしない。

いや、違う。
私も蘇我さんの手を離したくなくて、指を絡めて握り合っていた。

大きな手の温もり。
一晩分だけでいいから、この感覚を手に刻みつけておきたい。

「神谷さんが待っているから行かないと」
「そうだな」と蘇我さんは言って、名残惜しそうに手を離した。

「明日来ます」
「靴忘れんなよ」
「はい」と私は言ってニコッと微笑むと、病室を後にした。
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