Miss you・・・
私って不感症?
蘇我さんが一歩ずつ私のほうに近づいてきた。
何か動けない術にでもかかってしまったのか、私はただ、近づいてくる蘇我さんを見ることしかできない。

蘇我さんが私の目の前に来て止まった。

「あの・・・明のお泊り・・・」
「前約束してただろ?今度ノブんちに泊まってもいいって」
「それ、もっと先の話だと思っていたんですけど」
「俺もそのつもりだったが、予定が早まった。ノブも言ってたが、時間は有効に使わねえとな」と蘇我さんは言って、私の二の腕あたりに、大きな手をそっとおいた。

それだけで私はビクッとし、うつむいてしまった。

「明、喜んでたぞ。武蔵と遊べるし、愛理(あいり)ちゃんと一緒にいられるって」それを聞いた私は、「え?」と言って、蘇我さんの顔を見た。
< 179 / 206 >

この作品をシェア

pagetop