Miss you・・・
社長は会社の上に立つ立場だから、それなりに敵も多いんだろう。
だから社長のアシスタントをする秘書の仕事は、大変だと思う。
蘇我さんが詳しく言えなくても、そのあたりは私も察しがついた。

それにこの人がそう言うなら、私たちは大丈夫だ。
危険な目には遭わないだろう。
私を信頼させる気持ちみたいなものを、蘇我さんから感じた。

ん・・・名刺の字がかすむ?ぼやけてる?
なんだか疲れがどっと押し寄せてきて、私は眠たくなった。

「おまえ、何も食ってないんだろ。なんか作ろうか」
「え!いやそんな・・・点滴打ってもらいましたし」
「それだけじゃあ、栄養補給にはならん。5分待ってろ。簡単なもの作るから」と蘇我さんは言うと、ソファからパッと立ち上がり、サッサとキッチンへ行ってしまった。
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