Miss you・・・
「そうか。じゃあ私が立候補しよう」
「はい?」
「キミを愛人にしてあげよう」

え・・・ちょっとここ、高級と呼ばれる類のデパートなんですけど!

あたふたしている私を、吉田さんはからかうように見ながら、「そうそう。すれたところがないから、マユちゃんいいんだよ。素人っぽくてねぇ。どうだい?私の言うとおりにすれば、お手当てはたくさんあげるよ。毎月、ちゃんと、ね?」と言って、私に近づいた。

「いえ、あの・・・結構です」
「住む場所も与えるよ。もうこんな仕事しなくてもいい生活。魅力的じゃないか?ええ?それを私がキミに与えようと言ってるんだ。私には愛人を養う金くらいあるから」と吉田さんは言って、私にググッと近づいた。

私は「本当に結構ですから!」と叫ぶように言うと、ダッと駆け出した。
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