Miss you・・・
蘇我さんの髪が濡れている、ということは、私がお風呂に入っていた間、蘇我さんも自室にあるバスルームでシャワーを浴びたようだ。
蘇我さんは、肩にかけたグレーのタオルで時折髪を拭きながら、ソファに座るよう、私を促した。

蘇我さん、私がここに座るの気に入ってるのを知ってて、勧めているのかな。
と思いながら、私は革張りのソファに腰かけた。

「おまえ、事務の仕事をしたことあるか」
「え？あ・・・あります。商社の総務にいたことがあるので」

元夫の聡史さんとは、社内恋愛だった。
そしてでき婚することになって、仕事を辞めないといけなくなって・・・。

ノスタルジックな気分に浸っていた私に、「分かった。じゃあ清掃の仕事は辞めろ」と蘇我さんは言った。

「・・・え」

呆然とした顔で蘇我さんを見る私に、「策はあるって言ったろ」と蘇我さんは言って、ニヤッと笑った。
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